葛西純選手と行くオーストラリア その1。

昨年末、来日していたオーストラリアのマッドドッグ選手から、自身の主戦場であるBCW(Battle Championship Wrestling Pty Ltd)という団体で葛西純選手とデスマッチで闘いたいという相談を受けた。デスマッチのカリスマである葛西選手との対戦を希望するファイターは世界中に数多く存在するが、マッドドッグ選手とBCWはかなり具体的な招聘プランを提示してきた。彼らの本気と誠意を受け入れた葛西選手は4月の渡豪を快諾、海を越えての「犬猿」初対決が正式に決定した。で、この機会にとばかりに自分もちゃっかりついて行ったので、この貴重な体験を可能な限り書き残しておきたい。


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↑というわけで、4月27日11時30分羽田発の便でメルボルンに向けて出発。乗り継ぎまでのJAL便で、わざわざ「笑点」を鑑賞する葛西選手。「自分、意外と好きなんですよね」…ええ、僕もです。日本人は大抵好きですね、この番組。

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↑7時間以上お空に浮いて辿り着いたのは、赤道にほど近いシンガポールはチャンギ空港。「現地の気温は摂氏29度」という機内アナウンスに、ふたり声を揃えて「29度!」。飛行機を降りた瞬間のムワッとくる熱気、人々のエスニックな服装、容姿に異国情緒が漂う。世界有数の巨大ハブ空港として知られているが、1時間程度の滞在ではトイレへ行くのがせいぜいというところだった。ちなみに免税店でシンガポールケインは売られていなかった模様。

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↑シンガポールからメルボルンまでは、「世界一安全な航空会社」として知られるカンタス航空の便に搭乗。これまた7時間以上も座りっぱなしということで、機内モニターで麻雀でもやらないと間が持たない。おそらくオーストラリアのゲーム会社が作ったもので、シャンポン待ちの出上がりが対々和三暗刻ではなく四暗刻扱いになったりと、所々とんでもない出来栄えだった(麻雀をやらない方にはサッパリ意味不明でしょうが)。役満なのに他の役やドラまで並べて21翻などと表示されるから、振り込んだ方は余計に気分が萎える。まあ、点数は役満止まりだけどね。

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↑出発翌日となる4月28日の早朝5時にメルボルン到着(日本との時差は1時間)、現地スタッフの自宅ゲストルームになだれ込んで爆睡。そして昼頃に起床して試合会場へ移動という、なかなかタイトなスケジュール。BCWのイベントが開催されたのはホワイトホースクラブという建物で、待機用に当てられた部屋に描きかけの油絵が置かれていたところを見ると、市民向けのカルチャーセンターなどにも利用されているようだ。

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↑日本を訪ねてくるオーストラリアのプロレス関係者はかなり多く、初めて行く国なのに会場には20名くらいの友人、知人が集まっていた。左から全日本プロレス、ドラゴンゲート等で試合を裁いた元レフェリーのダニエル・バーモント氏、井上京子選手との激闘が今も記憶に新しいビクシン選手、地下プロレスEXITに参戦経験のあるクリス・トランス選手…異国の地で馴染み深い面々に会うと心から安心するが、それにしてもクリスのTシャツの柄はどう見ても穏やかならないものがある。

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↑予定の19時を30分ほど押して、いよいよイベント開始。会場内のバーは大賑わいで、すっかり出来上がった観客のノリは凄まじいばかり。この日は葛西選手初登場の他に、BCWヘビー級王座を争うトーナメントも目玉となっており、日本での試合経験もあるガブリエル・ウルフ選手が第2試合にエントリー。スープレックスを得意とする本格派だが、現在はヒールとして闘っているようで、熱狂的な観客たちの憎悪を煽りまくっていた。相撲部屋の稽古を一緒に見学したことを思い出すなあ。

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↑日本の興行同様、お笑い風味の試合もラインナップされていた。言葉は分からなくとも、体の動きで十分笑えるのがプロレスの強み。これまた来日経験のある左のクリータス選手は、街中で見かけそうな体格と薄毛っぷりながら、高角度の回転エビ固めをスルリと決めたりするテクニシャンである。

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↑辛子色のシャツを着たヤサ男は、フレディ・ゴールド氏なる悪党マネージャー。試合前は会場の隅でポツンとして誰とも語らず、葛西選手と「本当にイヤな奴なのではないか?」という話になった。この日は大物の刺客を呼んだとのことで、登場したのは元WWEスーパースターのオーランド・ジョーダン選手。ゴング直後の派手な殴り合いは期待を抱かせたが、それから2分程度で唐突に試合終了。バックステージにいた葛西選手も驚いたようで、大会終了後に「フィニッシュ、何でした?」と尋ねられたが、それが思い出せないほどアッサリした内容だった。ベタにも程があるが、実際ジョーダンみたいな試合だったよ。

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↑休憩明け(セミ前)には女子の試合も。小柄で愛らしいルックスのイジー・ショウ選手がヒール、セクシーでややケバケバしいアベリー選手がベビーフェイスという構図は意外だった。そこに至る伏線、ストーリーがあるのだろうが、何をやっても観客からブーイングを返されるイジー選手の小悪魔っぷりは見事なものがあった。

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↑王座争奪戦の決勝に進出したパンク系怪奇キャラのシド・パーカー選手は、線は細いながらも身体能力は抜群。無茶な姿勢から飛び上がってミスト(毒霧)を噴射したりと、リング上で縦横無尽に躍動していた。今夏には海外の大物との一戦も決定しているとのことで、日本のファン、関係者の皆さんも要チェックの存在かもしれない。

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↑大会のオープニング、休憩明けにクイーンの「I Want to Break Free」が流れると、観客たちが一斉に歓声を挙げて手拍子を始める。それは名物リングアナウンサー、バス氏の登場を歓迎する「お約束」らしい。彼の容姿がフレディ・マーキュリー似だからこその演出だと思われるが、こちらのバス氏も来日経験があり自分も幾度か酒を酌み交わした仲だ。「フレディに似てるね」と言ったらまんざらでもない様子だったことを思い出すが、実際現地でもそういった評判なのだろう。気品のあるアナウンスは、間違いなく大会の格式向上に貢献していた。


さあ、いよいよメインエベント…というところで、今回はここまで(ここからがまた気合の必要なところでして)。オーストラリアの観客はとにかく熱狂的だが、それでいて品が悪いわけではなく、危なっかしい雰囲気は皆無。ハッキリいって、物凄く居心地のいい空間だった。オージー諸氏と知り合った十数年前、頂戴したDVDで観た試合は正直いって素人目にも発展途上の段階だったが、今回初めて現地で観戦して確実にレベルアップしていることが分かった。どの試合にも個性があって、新鮮味を差し引いても退屈することがない。日本でも見たい選手が幾人かいたし、オーストラリアのプロレスが今後注目されることを個人的にも願っている。セミファイナルまで観たところで、しっかりハッピーな気分になりましたよ。

というわけで、次回に続く!


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