泌尿器科。

先月の半ば頃から、排尿の頻度が微妙に高まったような気がしていた。しばらくして尿道或いはその奥、ついでに腰回りや鼠蹊部(いわゆるコマネチライン)に違和感を覚えるようになった。残尿感というのか頻尿感というのか、あの辺がどうもおかしい。

真っ先に思い浮かぶのは前立腺の異常だったので、先週になって泌尿器科の病院へ行ってきた。初老の医師は問診の後、予想通り「前立腺肥大かもしれないね」と呟いて、こちらの鼠蹊部(いわゆるコマネチラ…)を弄りだしたが、リンパ腺にも血管にも異常は見つからない。脱腸の可能性を考慮して陰嚢の裏にあるという「モン」(?)にも指を入れたが、気持ち悪いだけでこちらも問題なし。今度はエコーで膀胱と前立腺を調べることになったが、不鮮明なモノクロ画像とはいえ自分の体内を見るのは不気味だし緊張するものだ。こちらも至って綺麗なものらしく、腫瘍や肥大は見られないという。

「実際に触って確かめるか」と診察台を指差す医師…ああ、やはりアナル検査ですか。おもむろにサンダルを脱いだ医師は、自ら診察台に四つ這いになり「こう、お尻をあげてな」と身体を張った指示。これに応えない訳にはいかず、意を決して尻を剥き出し、たった今知り合ったばかりの男へ秘穴を晒す。「こんなこともあろうかと、お風呂で洗ってきました」「ああ、綺麗なお尻だ」と微笑を浮かべながら、医師はゆっくりとゴム手袋を装着する。悠長な時の流れが、四十男の俺をじわじわと辱しめる。

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「…先生」「うん?」「あの…僕、初めてなんです」「ああ、心配ない。こうしてゼリーを塗るから痛みはないはずだ」。ピチャピチャと恥ずかしい音を立てて、俺の不慣れな肉襞に粘液が塗り込められる。「よし、じゃあ少しづつ挿入れていくからな」「はい、お願いします…うっ!」。予想以上の圧力と痛みに襲われた俺は、思わず唇を噛み、診察台のシーツを固く握りしめていた。「先の方の感触があるかな? 奥に当たってるのが分かる?」「せっ、先生、これは…あたたたたた!」「ああ、痛いのは入り口の方だな」。そういって極太を引き抜いた医師は、何事もなかったかのように自分の机へ戻っていた。

眼鏡をかけ直し、医師に背を向けてズボンを履く。「前立腺に異常はないようだね。腫れは全く感じられない」「それは安心しました。ところで先生、どの辺まで挿入れられたのですか?」「ああ、ここまでだな」「先生、それは…完全に根元まで…」「うん。前立腺は肛門から7、8センチの位置にあるんだな。こうして指を曲げるとな、ちょうど当たる訳だ」「そうですか…」「触ってみたところ、肛門や直腸の異常はないようだったな」「あんな瞬時の抜き差しで分かるのですか」「ああ、とても綺麗で…うん、よかったよ」。

続いて採尿に採血とプレイ、いや検査はしっかり行われたが、本日受け取った報告書によれば、自分でも驚くほどの健康体で異常は見られなかった。あれから一週間経ってみたら、尿道の違和感も足腰の痛みもほぼなくなっている。「薬もいらないだろうし、経過を見ていいんじゃないかな」との医師のお墨付きで、現在自宅でひとり祝杯を上げているところだ。まあ、年末年始に飲み過ぎて、それから毎日寒かったから、ちょっと調子が狂ったのかもしれないな。尿道のムズムズから始まって、思いがけず健康診断に発展してしまったが、とりあえず今の自分に欠けているのはカネと人望だけだと分かって、ホッと胸と股間を撫で下ろしている。まあ、身体さえ悪くなければ、多少のことは何とかなるだろう。

泌尿器科へ行くのも、検査結果を聞かされるのも、やっぱり緊張したよねえ。


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