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ハヤブサ選手。

第一報が飛び込んでから、Facebookのタイムラインはハヤブサ選手の訃報で埋め尽くされた。とりわけ海外での反応の大きさには驚かされた。ハヤブサ選手は、やはり現役のプロレスラーだったということだろう。

新生FMWのスタートが1995年、俺は大学に通って5年目を迎えていた(3年生を2回やったもので)。大仁田厚から卒業したFMWを、大学を卒業し損ねた俺が観戦するのは、今思えば妙な構図だった。それでもハヤブサ選手は、感情移入せずにはいられない存在だった。粋なペイントを組み合わせた独特なマスクも、「ポスト大仁田」の重圧を示唆する悲壮感漂う入場テーマも、とにかく全てが新しかった。そして、その動きはとても洗練されていた。長い手足が空中の軌道に残って、まさに猛禽類の直滑降を想起させた。そんなスマートな身のこなしには、初代タイガーマスクを思わせる品格があったが、これはまさに天性のものだろう。W★INGファンだった俺は、凶悪な松永さんたちがポッと出のアイドルを蹂躙して奈落に叩き落とす展開に期待していたが、最後は必ずハヤブサ選手に勝って欲しいと願っていた。俺は、ハヤブサ選手が背負った運命を愛していた。

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↑故人とお会いしたことはなかったが、某社を介してプロデュース興行のポスターをデザインしたことがある。その後担当者からライブイベントに招待して頂いたが、来客への応対で多忙なハヤブサ選手に挨拶することは叶わなかった。担当者氏から「また別の場所で…」と頭を下げられたが、その機会は永遠に失われてしまった。正直なところ個人的な面識は必要ないから、一ファンとして、とにかく長く生きて欲しかった。

FMWにはハヤブサ選手とサブゥー選手という、二人の「王子様」がいた。全国中にインディ団体が増えていた頃だったが、FMWが突出した風格を維持していたのは、彼らの高貴な存在があったからだと思う。二人の対決には、とにかく色気というものがあった。

スターは作られるものかもしれないが、ハヤブサ選手ほど完璧に才能をクリエイトされた存在は、どのジャンルに於いても極めて珍しいのではないだろうか。プロレスには、試行錯誤や苦悩を表現することで共感を得られる懐の深さがある(そこを端折ろうとしたのが、例えばサンダーストームなんだろうなあ)。勿論、最終的には地力がなければ認められない訳で、やはりハヤブサ選手は生まれながらにエースになる存在だった。生きるか死ぬかという切迫感を伴った回転技は、俺はハヤブサ選手の登場まで見たことがなかったよ。

仕事をしながら、一晩中ハヤブサ選手のことが頭から離れなかった。まさにヒーローであり、スターであり、アイドルだった。寂しいです。


[イラスト、デザイン][プロレス、格闘技]
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