喧嘩のマインド。

格闘技の選手をプロレスラーとしてリングにあげる手法に、個人的にどうしても馴染めない(異種格闘技戦なら寧ろ好物だけれど)。昔から格闘技も好きな自分は求道的なファイターの生き方を尊敬しているし、実際に競技者として戦えば手に負えないくらい強いとわかっているが、プロレスのリングに上がった彼らは意外なほど弱そうに見える。レスラーっぽいことをしようと大声で吠えてみたり、コーナーでキャンバスを踏みつけてみたりという行動にシラケることも多い(失礼な話で恐縮です)。

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お年を召された藤原組長に今も凄みを感じるのは何故かと考えて、その答えは喧嘩のマインドにあるのだと思った。プロレスラーの道場論は、競技に勝つためのものではないだろう。同業者に対してでも道場破りでも、街中でナメられないようにでもいいけれど、プロレスラーの皆さんはとにかく喧嘩に勝つために強さを追求していたのではないか。「猪木イズム」というものが本当にあるのかどうか分からないけれど、それにしたって本質は喧嘩のマインドなんだろうと思う。

男の子なら誰でも分かることだが、喧嘩では腕っ節だけでなく、虚勢を張ったり逆に引いてみたりといった駆け引きや演出がかなり重要で(闘わずして勝つ、ということさえある)、プロレスのリングではそういった要素も見事に表現される。我々は喧嘩という行為に感情移入をしやすい。3歳児でも80歳の老人でも喧嘩はできるが、競技ではそうはいかない。なんだかんだいってプロレスが世間に根付いている理由が、そこにあるような気がする。

ああ、そうか、異種格闘技戦というのは、競技者を巻き込んだ喧嘩だったのか。だから猪木vsウィリーみたいな雰囲気が生まれるんだ。あの試合をテレビで観て「もうウルトラマンはいらない。俺はこっち(プロレス)の世界に生きるんだ」ってハッキリ思ったんだよね。子供の頃から、破廉恥なものが好きなんだよなあ。


[プロレス、格闘技]
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ドラディション「藤波辰爾デビュー45周年記念ツアー in TOKYO」。

藤波vsベイダーTシャツ(チームフルスイング会場販売Ver)をデザインさせて頂いたご縁から、何故か売店でベイダー選手とお客さんの2ショット写真の撮影まで担当することになってしまった。見た目から恐ろしいベイダー選手だが、実際に近づくとファンがいない場所でも物凄く怖い。

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↑試合前で神経が高ぶっており、とても声などかけられる雰囲気ではなかった…という事実が、俺の表情からご理解頂けると思います。

超満員の観衆に迎えられてメインのリングに登場したベイダー選手は、「ハウハウ!」と吠え声を上げて気合十分。ベイダーハンマーやベイダーアタックを繰り出して拍手喝采を浴びていたが、試合中盤で藤波選手のスラムを受け損ねて(?)、ノーザンライトボムのような体勢で頭頂部からマットに落下。何とか自力で立ち上がり自軍コーナーへ戻ったが、あの巨体だけにヒヤリとする場面だった。

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↑攻めても受けても迫力満点のベイダー選手。「リコシェvsオスプレイ論争」への介入(?)も納得の、シリアスなファイトだった。

試合終了後、藤波選手のデビュー45周年記念セレモニーが開催されたが、最後のゲストであるアントニオ猪木氏が入場するタイミングでベイダー選手が卒倒。AKIRA選手と前田日明氏(Wアキラ)が心配そうに駆け寄り、観客も騒然とする状況で猪木氏がリングイン。「言うかな、言うかな…」と誰もが緊張する中、マイクを握って「元気ですかー!」。元気じゃないですよ、多分! 受け身の取り損ねだけでなく、長州選手の強烈なラリアットも受けていたベイダー選手、61歳の身体には負担の大きすぎる試合だったのかもしれない。何とか意識を取り戻したベイダー選手は、フラフラしながらも自分の足で控え室へ。30年前の初対決から振り返って、猪木とベイダーという組み合わせには、常に穏やかならぬ何かがあったような気がする。

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↑かつての新日本プロレスに、事件、波乱はつきものだったが…。

途中退場したベイダー選手が本当に心配だったが、往年のスターたちが揃ったリングはとても眩しく見えた。長州選手と前田氏のじゃれ合いなど目にしたら、どうしてもセンチメンタルな気分になる。思い入れの時間というのは、史実や資料を超えたところにあると改めて実感。「猪木と前田って、結局一度もシングルやらなかったね」と興奮気味に話している二人組がいたが、もちろんそれは間違い。第1回IWGPが記憶から抜けているのかもしれないが、この場で感動しているのだから、そんなことはもうどうでもいいんですよ。

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↑すんごいメンバーが揃ってさあ…嬉しかったもの、本当に。


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