多摩川でナマズを食べる。

何が切っ掛けだったか分からないが、ある頃から突然「ナマズを釣ってみたい」と妄想するようになった。悪食で知られる魚だけに目の前に餌があれば条件反射的に飛びつくだろうし(つまり釣り易いだろうし)、そこそこのサイズになるから引きの強さも楽しめる。その上、国内外で食用としての需要もある。外見は極めてグロテスクだが、淡白な白身は大変美味だと聞く。いよいよ気分が高まった俺は、「ついでに鯉でも釣れたらいいな」くらいの軽い気持ちで多摩川まで出向くことにした。


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↑という訳で、真っ昼間からやってきた多摩川某所。「釣れたら、本当に食うんですか?」と不安げな松井大二郎さんだが、この後自ら思わぬ行動に走ることに…。

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↑仕掛け投入後30分も経たぬ内に、成嶋君(アメ横商人)の竿に強烈なアタリ。「本命だよ!」と釣り上げたのは、ご覧のナマズ野郎。近くでバーベキューを楽しんでいたグループは、思わぬ生き物を遠目に眺めながら完全にドン引き。

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↑金色の身体は驚くほど美しいが、こうして顔面を覗き込むとかなりの悪相であることが分かる。思っていたよりもヒゲが太くてビックリ。

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↑「負けてなるものか」と気合いを入れた俺の竿にもナマズが掛かったが、足元まで寄せたところで残念ながらバレてしまった。気を取り直して投入したところ、想定外のフナがヒット。違うんだ、君じゃない。

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↑春風亭傳枝師匠は、丸々と肥えたブルーギルを釣り上げてこの表情。かつて瀧川鯉之助を名乗っていた師匠は鯉柄のTシャツを、絵描きの俺は自らデザインした「広島カープ×大日本プロレス」Tシャツを着用して釣行に臨んだが、この日は遂にコイの姿を見ることはなかった。シャレで自然に対抗するのは、実際至難の業であったといえる。

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↑こんな時ばかり無駄な執念を発揮する俺も、何とか待望のナマズ野郎をゲット。間近に見ると怪獣そのもので、彼らの魅力を改めて思い知ることとなった。

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↑釣ったら、食う…勝手に背負った任務を遂行すべく、器用にナマズを捌き始めた傳枝師匠。かなり肉厚で、なかなかのボリューム。食材を目前にして抑制の利かなくなった松井さんは、その生肉を一片掴むや温めた油に投入。素揚げにしたナマズを口に放り込んだ途端、「くっ、臭えええええ!」と悶絶、そのまま薮の中へ消えてしまった。そりゃまあ、そうなりますわな。「衣を付けるまで待っててくださいよ」と釘を刺したんだけどなあ。

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↑松井さんのリアクションを目にして緊張が高まった我々は、ニンニク、生姜、酒、醤油といった調味料にナマズ肉を漬け込む作戦を決行。ご覧のように、とりあえず見た目には美味しそうな唐揚げが完成した。「…全員に行き渡ったか? 1、2の3でみんな一緒に食べよう。いいな、遅れるんじゃないぞ。よし、1、2の3…!」と、さながら人民寺院の集団自決のような勢いで多摩川ナマズを口にした面々、僅かな沈黙を経た後に響き渡った叫びは…

「くっ、くっ、臭ええええええええええええええええええええええ!!!!!」。

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↑この味を何と例えたらいいものか…まあ、ズバリ表現すれば「多摩川の味」という他ない。まさに、あの川の臭いを口にしている感覚。特にキツいのは、皮とその下の脂肪層だ。一般的には魚の身体で最も美味しい部位のひとつだが、皮膚から染み込んだ臭いだけはどうにもならない。いわゆる「泥抜き」は内蔵を食べる場合にのみ効果的であって、奇麗な水で数日間泳がせたところで肉の味は全く変化しないだろう。対処的な臭い消し、そして味付けが課題ということになるが、流石に二度と食う気は起きないなあ。

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↑ナマズの悪臭を忘れさせる、あまりに美しい多摩川の夕陽…って、こんな程度では、あの臭いは忘れられんな。「『金曜ロードショー』みたいでしょ?」とポーズを決める傳枝師匠だが、実際は胃のムカつきを抑えるのに必死のはず。


と思っていたら、こっそりナマズ肉を持ち帰っていた傳枝師匠、酒と調味料に一晩漬けて焼いてみたところ、これが案外美味かったとのこと。それでも皮だけは不味かったというが、これで今後の方針が見えてきた気はする(またやるのかよ)。

何でも実際に試してみないと真相は分からずじまいだが、とりあえず我々は何かの一線を越えたんじゃないかと思う。アカペラの合唱が如き「臭ええええええええええええええええええええええ!!!!!」の調べが、今も耳から離れない今日この頃である。まあ、そんなに美味いもんだったら、みんな獲りにくるよな。


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多摩川のハト。

多摩川で釣りをしていた我々は、 片足に釣り糸が絡まりケンケン状態で餌をついばむ一羽のハトを発見した。「日本鳩レース協会」でのバイト経験を持つ春風亭傳枝師匠は、気の毒なハトの捕獲を画策。釣り餌で件の一羽をおびき寄せて、見事に捕らえてしまった。



ハト小屋でバイトをすれば誰でも覚えられる技術ではないだろうし、傳枝師匠の場合は現在の職業が示すように「芸を身につける」という素質が一般人よりも優れているのだと思う。ついでに松井大二郎さんがハトを飼っていた経験を持ち、その上雌雄の見分けまでできるという事実にも小さな衝撃が。こういった場面になると、俺なんか賑やかし以下ですよ。

この後、ハトを救った手をナマズの鮮血で染めたりする訳ですが、芸は他人(動物含む)の身すら助けるということを、しっかり思い知らされましたな。「正義は力だ」という人もいるけれど、まあ、実際のところ「正義は芸だ」ということですよ、うん。


[日常][落語]

ペンタトニックス(Pentatonix)Zepp DiverCity公演。

ペンタトニックス、聴いてきました。予想通り、客層の多くはヤングなおギャル。メンバーが登場するや「キャー!」の嵐、手製のプラカードやTシャツを持参するファンも多く、中にはメンバーのコスプレで来場する剛の者も。おじさんはデッド・オア・アライブを思い出しましたよ。女の子たちがメンバーの可愛い似顔絵を描いたりして、そういった歓迎のされ方が共通しているように思う。

ペンタトニックス Pentatonix

ペンタトニックス Pentatonix

ペンタトニックス Pentatonix

誤解を恐れずいえば、PTXは日本人にコンプレックスを与えないルックス、背景を持つグループということなのかもしれない。アメ横でご一緒した彼らからはインテリジェンスで品のいい印象を受けたが、見方を変えれば少々垢抜けなさを感じるくらい素朴で純粋な人柄も滲み出ている。そういった実直さが、ジャパニーズのファンたちの心を掴んでいるということはいえるだろう。

ライブの感想を一言で表現すれば「こりゃ、カネ取れるよ!」(←下品)というもの。観ている(聴いている)側の意識の数段上のことは確実にしていると思う。アンコール前の曲では全員マイクを手放して地声でコーラスしたのだが、それはよほど自信がないと出来ないことだろう。正直なところ「絵だって上手く描かなきゃなあ」と思わされましたね。いやいや、本気で。

ステージ上のモニターに、ケヴィンさんとウェルモパンダの2ショット写真が映ったのを見て、本当に興奮した。俺の人生にだって、たまにはそんなことがあってもいいだろ?


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