『東郷健の突撃対談』。

つい先日、イベント仕事の打ち合わせで下北沢へ行って、その帰りにとある古本屋へ足を運んだ。その店に立ち寄るのは数年ぶりだったが、書棚に「あ、これは」と思う一冊があり、値段も手頃だったことから即購入と相成った。

東郷健の突撃対談
↑『東郷健の突撃対談』雑民の会出版部(1984年発行:定価1,800円/購入価格1,575円)

雑誌『ザ・ゲイ』に連載された編集長・東郷健氏と著名15人との対談をまとめたものだが、初っ端のアラーキーこと荒木経惟から内田裕也、山本晋也(ほとんどビョーキ)と続く人選が非常にいい。で、読んでみるとやっぱり痛快で面白い。

東郷氏が「最初のマスターベーションの経験は?」と必ず質問するのが、実益と趣味とを程よくブレンドさせているようで微笑ましい。受ける方も気張ることなく開放的に応えるから、「(自分にそちらの気はないけど)昭和の男ってのは、大らかでカッコいいなあ」と思わず感動を覚えてしまう。

ゲイというセクシャリティを、自分はいつ頃どのようにして知ったのだろうか。生まれて初めて認識した存在は、恐らくおすぎとピーコだろう。或はカルーセル麻紀だったかもしれない。いずれにせよ彼らは、芸能という華やかな世界の住人(或は参加者)である。その舞台に立つまでの苦労は大変なものがあったはずだが、自分が知る頃には既にお茶の間の人気者になっていた。

参院選だ都知事選だという度に「私はオカマです」と出馬する東郷健さんは、生まれて初めて目にする悲愴感を背負ったゲイだった。幼い俺は「オカマの健さん」によって、世の中の真実を自然と教えられた。率直に言えば、この世に差別という概念が存在することを知ったのである。それは大きな体験だったと思うな。

最近YouTubeで発見した「君は答えよ」という曲もインパクト絶大だった。歌詞も東郷氏による演説も「剥き出し」「ズル剥け」という感じで、サイケデリックな調べに乗って呪文のように脳内に入り込んでくる。とことん本気じゃなかったら、こんな作品は出来上がらないはず。一連の選挙演説と併せて、一聴の価値があることは間違いない。

沼正三
↑こんな人物との対談も。写真の天野哲夫氏は2008年に亡くなっているそうだが、これは「正体論争」の参考記事にはならないのだろうか。ウィキペディアには「ザ・ゲイ」「東郷健」といった記述は見当たらないのだが…。


[日常][音楽]
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深夜映画。

もう一昨日のことだが、ある仕事の打ち合わせで春風亭傳枝師匠と同席した。新宿某所での会議が終わって二人で居酒屋へ移動、レバ刺しをツマミに酎ハイをグイとやっていると、傳枝師匠が思い出したように「これから映画を観に行こう」と切り出した。

打ち合わせから飲み続けて、すっかり酩酊していた俺は「いいねえ、行こう行こう」と、軽い気持ちで話に乗ることにした。まあ、この一言が長い夜の本格的な幕開けになるのだが。

バルト9辺りでのんびりレイトショーでも観るのかと想像していたが、日付が変わってから連れて行かれたのは怪しげな熱気が充満するテアトル新宿だった。「うっそー」と呟いてしまうほどの超満員状態。劇場に入って初めて知ったのだが、この夜の催し物はオールナイトの三本立てであった。

『レイプゾンビ LUST OF THE DEAD』友松直之監督
『海浜警邏隊ピーチ&チェリー』石川二郎監督
『本当はエロいグリム童話~レッド・スウォード』友松直之監督

タイトルを見るだけで様々な感情が沸き上がってくるかと思うが、とにかく言い様がないくらい胡散臭い。トホホ感と痛快さのせめぎ合いが予想されるものの、何となく気軽な感覚で臨んだ方がいいような気がする。まあ、幾らか酒も入っているということで。

先ずは『レイプゾンビ』…って、このタイトルがねえ。で、やはり内容は非常にそのままであった。ゾンビが出てきてレイプするんですね。しかし画はデジタル感があって奇麗だから、思ったよりも見た目のカルトっぽさはない。

惜しげもなく色気を振りまく女優たちは、みんな個性的でチャーミングだった。カワイコちゃんのコスプレを楽しむ要素が強いから、多少大仰なセリフ回しもかえって絵になったりする。そうだねえ、俺は……巫女のお嬢さんが元気そうで良かったかなあ。

悪ノリに終始したストーリーを含めて、漫画的発想を映像化したような印象。B級だかC級だか分からないが、間違ってもA級ではない。でも、そういう空気に安心する向きがあるというのは、よく分かる。

レイプゾンビ
↑出演者による舞台挨拶。イラストではいまいち分からないかもしれないが、皆さん大変魅力的でした。そこは無理矢理にでも理解して頂きたい。

続いて『海浜警邏隊ピーチ&チェリー』。この夜の上映作品の中では最も分かりやすくて、いい意味で単純。お色気というのは洗練され過ぎると楽しみにくくなるものだが、全体にそこはかとなく漂うトホホ感が、いい具合に女の子たちの魅力を引き出している。例えば「しなびた旅館にカワイコちゃんと二人っきり」みたいなシチュエーションで、妙に高ぶってくるのと同じ理屈だろう(気だるさと官能は紙一重というか)。まあ、個人的には……ピーチの方ですかねえ。こういう気の強そうな健康美タイプ、好きなんだよねえ。

いよいよ明け方になって最終作品、『本当はエロいグリム童話~レッド・スウォード』。AV女優によるチョメチョメシーンが異常に長く且つ濃厚で、着席しているにもかかわらず観客は総勃ち状態(時間的には朝勃ち)。最終的に主人公が誰なんだかよく分からなかったり、会話のディティールに妙に拘ったり、笑わせたいのか、アクションを見せたいのか、お色気なのか、その辺りの狙いとバランス感覚もよく分からなかったり、まあ、突っ込みどころは沢山あるのだが、難しいことを考えずに混沌としたところを楽しめればいいのだと思う。ネタバレになるので詳しくは書かないが、ギャグというのは説明が少ない方が面白いというのはよく分かった(転校生を紹介するシーンは笑った)。

「こういう映画のスタイルもあるんだなあ」というのが、全てを見終わっての率直な感想。低予算、短期間で製作されているようだが、それだけに作り手のテンションのようなものはダイレクトに伝わってくる。「みんな本当に映画が好きなんだな」という、そんな情熱を共有するジャンルなのかもしれない。

レイプゾンビ ピーチ&チェリー
↑全く唐突に、こんな作品をオールナイトでブッ通して観るという状況自体が、既に映画的。世の中、何があるか分からない。油断は禁物である。


[イラスト、デザイン][映画][イベント]

狂犬と牝狐。

このところ日記がいつもディレイになっていて、それでは最早日記とは呼べないような気もするが…今週の月曜日、久しぶりに「ミスターデンジャー」さんへお邪魔してきた。今回ご一緒したのは、オーストラリアからやってきたプロレスラー、マッド・ドッグと女子選手のビクシン。どちらもハードコア、デスマッチを得意とする、豪州には稀なタイプのファイターである。

ミスターデンジャー
↑世界中のデスマッチファイターにとって、まさに巡礼地というべきステーキハウス「ミスターデンジャー」。向かって右の厳ついスキンヘッドがマッド・ドッグ、俺にヘッドロックを掛けている女性がビクシン(Vixsin=牝狐)。リビング・レジェンドの松永さんと対面して、二人とも大いに感動していた。それにしてもデンジャー氏、現役選手以上にゴツいんだよなあ。

前回2006年の来日では400グラムのセットを2つ完食したマッド・ドッグだが、今回は普通に1セットを焼き加減レアで注文。ビクシンはベリーレアを所望と、両者とも西洋人にはちょいと珍しい嗜好である(外国人からは「とにかくよく焼いてくれ」と頼まれるケースが多い)。

で、また彼らがよく飲むんだわ。気が付くとビールの残量が倍くらい違っていて、ビクシンに「はい、飲んじゃって飲んじゃって」と促されるのである。まあ、今まで出会ってきた女性の中では、最強の酒豪ではないだろうか。何杯目でも美味そうにグイグイ飲むんだよなあ。「日本のビールは最高。アサヒ、キリン、サントリー…」と声を揃える二人に「オーストラリアのビールは?」と尋ねると、顔をしかめて「全然美味しくない、ダメダメ」と即答。そんな環境で、どうしてこれほどの大酒飲みになれるのか大いに疑問である。

お陰さまで、かなり酔っぱらいましたわ。所々、記憶がまだらになってるもんなあ(変なことしてねえかな、俺)。

前述したが、彼らが得意とするのはデスマッチだ。マッド・ドッグは大日本プロレスに出場経験があり、地元オーストラリアではマッドマン・ポンドさんにデスマッチで勝利したこともある(勝った本人が驚いたという話だったが)。また本日3/8開催の大日本プロレス横浜にぎわい座大会に出場予定なので、この機会に注目して頂ければ幸いでございます。

一方のビクシンとは今回初めて会ったのだが、美しい顔立ちながら身体付きはかなりガッシリしていて(まあ、腕の太いこと)、相当パワフルな暴れっぷりが期待出来そうである。ハードコアマッチで火炎攻撃を食らい、背中一面を燃やしたこともあるという。YouTubeの映像を見ると、ステップラー(ホチキス)攻撃を受けたりもしていますな。世界には、まだまだ未知の乱暴者が潜んでいるということだ。

そんな危険な二人が「実は行きたい所があるんだ」と神妙な表情。「スケジュールが合えば案内するけど、何処?」と聞いたら「東京に、大きな動物園はないかな。俺たち、アニマルが大好きなんだよ」とのこと。まあ、リングネームがリングネームだからねえ。

小沢聖
↑ビクシンが描いてくれた当方の似顔絵。いつも描く側なので、こういったサービスは本当に嬉しい。客観的に見てすごーく特徴を捉えている部分もあるのだが、パッと見はジャーナリストの上杉隆氏。知的に見えたのかな、さては。


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