ドン・中矢・ニールセン。

1986年10月9日(木)、中学3年生だった俺は授業を休んで、隣市の中学校で開催された理科の研究発表会に出席していた。出番を待つ間、この日行われる前田日明vsドン・中矢・ニールセンのことで頭の中はいっぱいだった。いざ壇上に上がって、開口一番自分はこう言った。「今日は、こんなところに来ている場合じゃないんです」。

前田日明の相手にしては線が細かったけれど、ニールセンは子供の目にも「未知の刺客」と映った。決戦へ向けて「週プロ」が毎週のように煽るから、俺たちは日々興奮を高めて、まさにロマンの真っ只中にいた。どのくらいヒートしていたかというと、試合の前週に発売された「週プロ」の読者投稿欄に、俺が描いたニールセンの似顔絵が載っているくらいなのだ。待ちきれなかったんだ、本当に。

大人になってから振り返って、ニールセンは存在自体がユニークというか、「未知の刺客」というよりも「エイリアン」に近い人物になっていた。マット界に突如現れた、この日系人キックボクサーは日本で一体何を見て、何をしてきたのか。昨日三軒茶屋で買ったムック本に彼のインタビューが載っていて、そこには割にとんでもない発言が並んでいた。「ニールセンしか知らないことがあるのではないか」程度の個人的な勘ぐりは、現実(としておこう)の前ではあまりにもスケールが小さかった。31年前の俺にこの顛末を説明して且つ納得させるには、やはり31年の時間が必要になる。

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↑ニールセンがいう「リアル・ファイト」「リアル・ビジネス・ファイト」の定義について、例えば「シャムロック戦のディティールは?」とより詳しいところを聞きたくなるが、それにしても興味深いインタビューである。

そんな記事に衝撃を受けた翌日に、ニールセンの訃報を聞くとは…これは必然なのか? いや、人の暮らしなんて結局、偶然の連続でしかないと思う。ああ、ドン・中矢・ニールセン…。


[プロレス、格闘技]
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「蓮見会」不発。

春風亭伝枝師匠主催の「蓮見会」、今年は思いがけず台風に吹き飛ばされた格好となった。怪しい雲行きの中、缶ビール1本までは屋外で飲めたのだが、さすがに晴れ上がることはなく、ずぶ濡れになる前に居酒屋へ移動。会場は目の前でも、ポセイドンの予行演習をするつもりはサラサラないということだ。


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↑「本降りになる前にとりあえず写真撮っておくか」「ポーズどうする?」「メキシコでいいじゃん、メキシコで」。全員で明後日の方向を向いてポーズを取る、ルチャ・リブレ風記念写真の出来上がり。

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↑天気予報により参加者は軽く半減して、女流写真家が逃げ帰った後に残ったのは、アメ横のシャツ屋、絵描き、落語家、不良といった面々。台風の中わざわざ飲みに来るのは、大抵こういった人種だということが改めて明らかとなった。憤懣遣る方無いといった参加者の表情をお楽しみください。

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↑諦めきれず、飲酒後に再度訪れた不忍池。ISOを極度に上げているので明るく写っているが、実際は漆黒の闇。ご覧のように夜空は一面雲に覆われて、蓮の蕾はまだ閉じたまま。我々は、わざわざ侘しさを味わいにきたのだろうか。

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↑花がなければ葉を楽しむのは、時期を逃した花見と同じ。「見て見て、こんなにデッカい葉っぱがあるよ!」「わー、本当だ、デッカーい!」。虚しい。


来年は晴れろよ、この野郎。


[日常][イベント]

DDT「闘うビアガーデン2017」。

新宿FACEで開催されたDDTのビアガーデンプロレスを観戦。初めて行くイベントで内容がよくわからなかったのだが(予習くらいしていけばいいのだが)、会場へ入っていきなり岡林選手がバーベルを引っ張り上げていたので「一体何事か?」と驚かされた。

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↑300キロという記録は、選手本人にとっても数年ぶりのものらしい。自分はこういった競技の知識を持たないが、客席からは「ほぼ日本記録レベル」という声も聞かれたから相当なものなのだろう。

会場へ行った最大の目的は、久々の来日となるOI4Kのデイブ・クリスト選手に会うことだった。大日本プロレスに参戦した際は、何度か一緒に飲み食いをしたものだ。昨日も試合後に居酒屋へ行ったが、彼は頑なに水だけを飲んでいた。そういえばアルコールは口にしないタイプだったな(MASADAさんやダニー・ハボックさんが彼の分まで飲むので、すっかり忘れていた)。

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↑華のある入場、華麗なハイフライは以前と変わらず。姿を表すだけでファンたちを味方にしてしまう技量、愛嬌は流石のものがある。

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↑OI4Kのポーズで久々の記念撮影。すでに発表されているようだが、帰国後は弟さん(ジェイク選手)と一緒にインパクト・レスリングに参戦するそうで「ビンビンだぜ!」と気合十分だった(実際は「I am excited」と言っていたのだが)。

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↑この大会で初めてお話しさせていただいたディエゴ選手は、300キロのバーベルを引っ張り上げた岡林選手を相手に大奮闘。メインにふさわしい熱いファイトに、思わず「負けるな!」と声が出てしまった。


アルコールが入っているだけにお客さんのノリも良く、実に愉快なイベントだった。手に汗と缶ビールを握って、大いに楽しませていただきました。


[プロレス、格闘技][イベント]

「Mr.ポーゴお別れ会」。

新木場1stリングで開催された「Mr.ポーゴお別れ会」へ行ってきた。特に存在意義があるとは思えないタレント議員が「一線は超えていません…」と釈明する一方で、「松永、一線を超えたデスマッチやるぞ!」と盛んにダミ声でアピールしていたポーゴ様だが、こちらの方はいきなり初対決で一線を超えてしまった感があり(相手の頭に灯油をかけて、口から火を吹いて燃やしてるんだもんな)、ゲストのデンジャー氏もその試合について自身のベストバウトであると語っていた。もちろん俺もあの試合は大好物で、ポーゴ選手にとっても最高の一戦だったと思っている。

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↑実業家として成功を収めている松永さんの佇まいには控えめな品があり、何かに達観した人物のように見えた。インディの会場においては明らかに異質な存在で、常に独特な位置にいる方だと改めて思わされた。

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↑地元での興行に確実に500人、600人の観客を集めたポーゴ氏は、優秀なプロモーターでもあったと力説していた大仁田厚選手。W★INGから出戻ったポーゴ選手と大仁田選手の爆破マッチを観るために、わざわざ西宮球場まで行ったことを思い出す。

正直に書くと、会場の客入りはあまり良くなかった。宣伝が行き届いていなかったのが唯一にして最大の理由だと思われるが、WWSが醸し出す垢抜けなさ(失礼!)が寂しげな会場の雰囲気をより切なくさせていた。入場料(お花代)は「WWSの存続費用に充てられる」と告知されていたが、そのWWSの活動停止がイベントの途中で発表されるという「何のこっちゃ」な展開。11月に予定されているという最終興行は、故人の為にもお金を使って派手に盛り上げていただきたい。ちなみにイベント中に行われたバトルロイヤルは、かなりドキドキするものがあった。改めて、プロレスって難しいんだな。

ポーゴvs松永という組み合わせは、真っ先にビジュアルから成功していた。あんなの殆ど「モータルコンバット」じゃない。それが見掛け倒しで終わらず、実際に有刺鉄線バットで殴ったり火炎噴射で燃やしたりしているのだから、どう考えたって面白かったに決まっている。間違いなく、人生を変えられましたよ。

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[プロレス、格闘技][イベント]

今更ながら振り返る大日本プロレス「両極譚」。

タイトル通りタイムリーさに欠ける報告になるが、大日本プロレス両国国技館大会「両極譚」へお邪魔してきた。詳細な試合レポートなどは書かないが、なーんとなく楽しげな雰囲気が伝われば幸いである。


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↑試合開始は15時、しかし両国駅での集合時間は12時。ズバリ、我々のお目当は亀戸餃子であった。店外に並ぶことなく絶妙なタイミングでテーブル席を確保、昼間っからビールを煽って実にいい気分。散々飲み食いして店を出る時に「あ、今日はプロレスを観に来たんだった」って本気で我が身を振り返ったもんな。

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↑食欲を満たした後は旧安田庭園、東京都慰霊堂、復興記念館を観光。雑誌仕事の取材で最後に訪れたのが7、8年前で、思いがけず新鮮な気分を味わうことができた。近世において東京が幾度か火の海に包まれたという事実は、時に振り返っておくべきことだろう。

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↑2階席にどっしり腰を下ろして試合観戦。国技館では蛍光灯やガラスといった飛散する凶器、アイテムを使用できないので(お相撲さんたちは裸足ですから)、デスマッチは会場の大きさに応じた立体的な形式になる傾向がある。コーナーに設置された鉄檻は、対戦相手を閉じ込めたり、叩きつけて凶器にしたり、ダイブの足場にしたりと使い道が多様で、試合のゲーム性を高めるのに有効なアイテム。

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↑デスマッチで使用されるブロックを、リング上に綺麗に並べていく選手、スタッフの皆さん。見事な流れ作業っぷりに客席から拍手が上がるほどだった。

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↑そんなブロックの上で投げ技を繰り出す、あらゆる感覚が狂った面々。比較的頑丈な選手たちが選ばれていたように思うが、それにしても攻防の全てが痛々しかった。観戦前は「蛍光灯や有刺鉄線に比較して痛みが伝わりにくいかも?」と思われたが、これでなかなかヒヤヒヤする試合形式だった。

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↑メインエベントは血みどろブラザースによる兄弟対決。大量の画鋲が貼り付けられたボードに植木選手を叩きつけたのは、デスマッチ王者である高橋選手。信頼関係に裏付けされた過激な攻防の末に勝利を得た高橋選手は、兄貴分としての面目とチャンピオンベルトを見事に守りきった。

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↑観戦をご一緒した麗しい面々。女性ばかりだが内2名は格闘技を学んでおり、ガールフレンドというよりはボディーガードといった存在。休憩時間に当方デザインの大会記念Tシャツをこっそりご購入頂き、本当に嬉しい限り。いやあ、感動したなあ。

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↑呑気に試合を観た後は、これまた呑気に飲酒。血みどろブラザーススポーツタオルの有効な使い道を発見、このような記念写真を撮影してみた。おねえちゃんたち、いい血みどろっぷり(&シャウトっぷり)じゃねえか。

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↑今大会にて販売された大会記念Tシャツ、血みどろブラザース両国大会記念Tシャツ(双方とも当方デザイン)。昨年、一昨年と会場で完売してしまった大会記念Tシャツは、例年よりも枚数をかなり増やして生産。通販でも購入可能ですので、興味を持たれた方は大日本プロレスさんのWEBショップを覗いてみてください。

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http://bjw.shop-pro.jp/



両国大会は今年で3年目、夏の定例行事として完全に定着した様子だった。大日本プロレスの会場ではあまり見かけない向きも含めて、この日の国技館ではかなりの数の友人、知人と遭遇した。こういった触れ合いもまた、ビッグマッチの醍醐味である。プロレスには一家言ある面々がいかにも楽しそうにしていて、無理に評論家ぶったりするタイプよりもずっと幸せそうに見えた(もちろん批評精神は大切だけれど、ライブは極力楽しんだ方がいいよ)。血と暴力がハッピーな空間を作るという現象は、そこに文化があることの証明。我々は、なかなか高尚なものを目にしているのである。来年の国技館大会についてはまだ発表がないけれど、何かしらの大仕掛けには期待しておきたい。毎年、楽しいもんねえ。


[Tシャツ][イラスト、デザイン][プロレス、格闘技][イベント]
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